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太陽光「適地」開拓、シャープエネSOLが電力自家消費を農業に提案

太陽光「適地」開拓、シャープエネSOLが電力自家消費を農業に提案

農地で農業と太陽光発電を両立させる「営農型太陽光発電ソリューション」のイメージ

シャープエネルギーソリューション(大阪府八尾市、五角博純社長)は、電力の自家消費システムなどの国内法人向けソリューション事業を強化する。このほど農業向けにも提案を始めた。環境意識の高まりや電力価格高騰に伴い、初期投資なしで工場や事業所に自家消費用の太陽光発電システムを導入するPPA(電力販売契約)モデルの引き合いが強く、需要を取り込む。ソリューションの拡充で顧客層拡大を狙う。

同社は顧客の工場の屋根や空き地などに太陽光発電設備を無償設置し、発電した電気を使った顧客が電力料金を支払うPPAモデルの需要が高まる中、国内ではパネル設置に適した土地に限りがあることに着目。農地で農業と太陽光発電を両立させる「営農型太陽光発電ソリューション」を開発し、福島県の牧草農家から受注した。実績を積み上げ、ソリューション事業の拡大に弾みをつける。

営農型太陽光発電ソリューションは、農地上の空間に、作物に必要な日射量・時間などからシャープが最適に設計した太陽光パネルを設置する。設置費用はシャープが提携する発電事業者が負担し、農家の負担はゼロ。発電し、売電した一部が営農支援金として農家に支給され、農業収入の安定化につながる仕組み。

このほか数十年前に建設されたメガソーラーを診断し、経年劣化した古い機器を更新して発電所の出力を最大化するサービスの提案も始めた。

「世界的なESG(環境・社会・企業統治)投資の流れは当社にとって追い風。ソリューションで売り上げを伸ばしたい」(五角社長)。国内法人向けソリューション事業の売上高は非開示だが、今後3年で2022年度見込み比2倍に引き上げる計画。

日刊工業新聞 2023年03月31日

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