中国・中部・九州電力など4社に過去最高の課徴金1010億円、電力カルテルの背景
公正取引委員会は、事業者向けの電力販売をめぐってカルテルを結んだとして、中国電力、中部電力、九州電力など4社に対し、独占禁止法に基づく課徴金納付を命じた。課徴金の総額は約1010億円で過去最高となる。
課徴金は中国電で約707億円、中部電と子会社の中部電力ミライズ(名古屋市東区)で計約275億円、九電で約27億円。4社と関西電力は遅くとも2018年までに特別高圧や高圧について、互いのエリア内で営業活動をしないよう申し合わせ、競争を制限していた。関電は違反行為を最初に自主申告したため、課徴金が免除された。
公取委は、電力小売り全面自由化により競争が激化する中、利益を確保する狙いがあったとみている。
これまでに公取委が命じた課徴金の最高額は、道路舗装に使うアスファルト合材の販売で価格カルテルを結んだとして、大手メーカー8社が19年に受けた計約399億円。
日刊工業新聞 2023年03月31日