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遠隔地勤務・週休3日…メタウォーターの働き方改革に人材獲得効果あり

メタウォーターは4月に社員が居住地を自由に選べる遠隔地勤務制度を導入する。採用した社員は通勤圏外の遠く離れた地域で生活し、テレワーク主体で勤務する。親の介護など家庭の事情で実家に戻ったり、転職をせずに地方への移住ができたりする。私生活を充実させたい社員の多様な価値観に応え、優秀な人材の確保や定着につなげる。

メタウォーターの働き方 改革の主な施策

遠隔地勤務制度は親の介護や配偶者の転勤、育児などの理由がある社員から導入し、2000人の社員のうちテレワークで業務ができるすべての社員に対象を広げる。新入社員は在籍3年以上、中途採用者は所属長の判断で適用を決める。

遠隔地勤務制度を利用する社員は距離に関係なく居住地を選べ、定期的に出勤する。ただし、交通費や宿泊費が大幅に増加しない通勤頻度に抑える。試行した2022年、本社(東京)に所属しながら中国地方の同社の拠点がない地域で親の介護をしながら勤務したり、実家がある九州地方に戻ったりした社員がいた。

上下水道施設の現場業務に携わるフィールドエンジニアと呼ぶ職種については4月から拠点を増やす。現在は東京と大阪の2拠点だが、仙台や名古屋、広島、福岡も追加して希望地で働きやすくする。現場がない期間はテレワーク勤務する。

メタウォーターはテレワークの回数制限撤廃や週休3日制、1日の所定労働時間短縮、単身赴任の解除などを実施してきた。社員は私生活を充実させて仕事への活力を高めたり、自己研さんの時間に充てたりしてきた。すでに柔軟な働き方を理由に同社へ中途入社する社員も増えている。

日刊工業新聞 2023年3月30日
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
憧れる働き方です。そして人材獲得に危機感を感じ、手を打っているという企業姿勢にも憧れます。職種一律にこだわるといつになっても使われる制度にならないから、まずはやれることから。危機が迫っていても「うちは大丈夫」と根拠のない理由で何もしない企業よりも安心できます。

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