DXで生産性30%高めるパナソニックインダストリーの戦略
パナソニックインダストリーは2030年度の売上高1兆8000億円、営業利益率15%の経営目標達成に向け、デジタル変革(DX)を進める。社内の9事業ごとに異なっていた業務ルールなどを統一するとともに、製造・販売・在庫(PSI)を集中管理する体制を構築。さらに全社的にDX人材を育成し、30年度に生産性を21年度比で30%向上させる。
同社は旧パナソニック、旧パナソニック電工、旧三洋電機のそれぞれを源流とする9事業で構成され、各事業で業務の進め方からシステムまで個別最適化されていた。それをDXによって全面的に見直す。
現在は全体構想を固めている段階で、27―28年ごろまでに統一システムを完成させたい考え。パナソニックインダストリーの最高情報責任者(CIO)兼最高デジタル責任者(CDO)を務める帆足英次常務執行役員は「徹底的に業務プロセスを見直し、経営のやり方を変えていく」と話す。
サプライチェーン(供給網)関連では、グループ会社の米ブルーヨンダーのシステム導入を計画。まず電気自動車(EV)リレー事業で導入し、販売計画から生産計画まで一元管理する。データベースはクラウド系システムを新規に導入し、各事業の既存データベースからの移管を進めている。
DX人材育成では5段階にレベルを設定。まず約4万4000人の全社員に対してレベル1の教育をスタートした。レベル3以上はDXにより経営変革を実行できるリーダー層を対象にする。
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日刊工業新聞2023年2月27日