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「SiC半導体」市場を狙う、東洋炭素が設備投資515億円

東洋炭素は炭化ケイ素(SiC)半導体市場の拡大を踏まえて中期経営計画を見直し、新たに2027年12月期までの5カ年中計を策定した。SiC半導体市場の年平均成長率予測を当初の20%から40%に変更。販売計画を見直し、成長市場を取り込む。

東洋炭素は耐熱、耐薬品性などに優れた等方性黒鉛を手がけている。新中計では総額515億円の設備投資を計画する。「生産効率向上で増産につなげたが、それでも足りない」(近藤尚孝会長兼社長)として、等方性黒鉛素材の増強を新たに織り込んだ。また新中計では27年に半導体向け黒鉛製品の売上構成比率を50%に拡大する。当初の中計では26年に21年実績比10ポイント増の40%に拡大する予定だったが、すでに達成した。

新中計は当初中計と比べ、26年にSiC半導体向けを中心とする製品の販売増が約67億円の売上高積み増し要因になる見通し。SiC市場以外の需要予測は大きく変更せず、販売計画の見直しは微調整に留めた。

等方性黒鉛はSiC半導体向けでは単結晶SiCインゴット製造用の炉や成膜時の土台などに使われる。

日刊工業新聞 2023年02月24日

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