ニュースイッチ

米カリフォルニア大学が開発した「着る心エコー」がスゴい

米カリフォルニア大学が開発した「着る心エコー」がスゴい

胸の皮膚に貼るセンサーのパッチ(David Baillot,Jacobs School of Engineering, UCSD提供)

米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究グループは切手大のパッチ型センサーを胸の皮膚に貼り付け、心臓の超音波画像を連続的にモニタリングできる技術を開発した。画像をもとに人工知能(AI)アルゴリズムが心臓からの血液拍出量をリアルタイムに測定し、拍出量の低下など心臓の異変を検知する。

「着る心エコー」装置として実用化を進める。成果は英科学誌ネイチャーに掲載された。

大型の装置を必要としない上、利用者の体を傷つけることなく、外出時にも激しい運動中にも心臓の活動を監視できるのが特徴。

圧電材料と樹脂との複合素材である1―3コンポジットや銀・エポキシ系導電性素材を使って超音波送受信器を作製し、皮膚に貼る柔軟性の高いパッチと一体化した。

さらに得られた画像から、AIが心臓の1回の鼓動での血液拍出量、左心室からの拍出量の割合(駆出率)、1分ごとの拍出量を割り出す仕組み。

現在は胸に付けたセンサーをコンピューターに有線接続しているが、ウエアラブル用に無線回路を開発済み。研究にかかわったUCSDのエンジニアが設立したスタートアップの米ソフトソニックス(Softsonics)で商用化に取り組むとしている。

日刊工業新聞 2023年02月15日

編集部のおすすめ