SBエナジー買収、風力・太陽光で国内最大規模になる豊田通商の展望
豊田通商は9日、SBエナジー(東京都港区)の株式の85%を取得し買収すると発表した。同社の親会社であるソフトバンクグループ(SBG)と合意した。金額は非公表。これにより、豊田通商グループは風力に加え、太陽光でも国内最大規模の発電事業者となる。
豊田通商は完全子会社のユーラスエナジーホールディングス(東京都港区)を核に再生可能エネルギー事業を展開。国内外で風力305万5000キロワット、太陽光35万キロワットなど約370万1000キロワットの再エネ発電容量がある。
SBGは2011年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに、同年10月にSBエナジーを設立。同社を豊田通商が子会社化することにより、国内での太陽光66万7100キロワット、風力5万5900キロワットなどの77万3000キロワットと、モンゴルの風力5万キロワットが加わる。
SBエナジーの電力需給調整機能や再エネ電力の需要創出力、投資先の技術を活用し、再エネの普及促進と市場ニーズの対応に取り組んでいく。今後、豊田通商はSBGとカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現に向けて、両社グループ会社間での再エネの共同開発や、電力需給調整事業など再エネ事業での協業を検討する。
豊田通商は30年までに豊田通商はカーボンニュートラルに1兆6000億円を投資し、同年に19年比温室効果ガス50%削減を目指している。
日刊工業新聞 2023年02月10日