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グーグルが自動運転車でワイヤレス給電の実験中と専門誌報道

米2社の技術利用、バッテリー充電作業も自動化へ
グーグルが自動運転車でワイヤレス給電の実験中と専門誌報道

ワイヤレス給電の実験を行っているとされるグーグルの自動運転車


中国・BYDやカリフォルニアの電気バス用にも採用


 ヒーボの試作システムはすでにロサンゼルスで電気バスに採用済み。モーメンタムのものも、ロッキード・マーティンほか、フェデックス、中国・BYD、それにカリフォルニア州内のバス会社に設置されている。特にモーメンタムの大出力タイプを使えば、電気バスのバッテリーをわずか数分で充電でき、事実上の24時間稼働が可能になるという。

 ワイヤレス給電による派生メリットとしてはこのほか、給電ステーションを各地に設置すれば、車載バッテリーを小型化できる可能性がある。自動車本体の軽量化や設計自由度の向上、コストダウンにもつながる。

 ただ、IEEEスペクトラムの取材に対し、2社のスタートアップともグーグルとの関係については回答を拒否した。グーグルも「自動運転車については多種多様な技術を試験している」とだけ答えているという。
【Momentum Dynamicsの映像】
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藤元正
藤元正 Fujimoto Tadashi
離れた位置でのワイヤレス給電をめぐっては、アップルが2017年にもiPhone/iPadで採用かと先日ブルームバーグが報じましたが、一方でKDDIも資本提携した米オシア(Ossia)と、家庭やオフィス内の機器に同時給電できる「Cota (コータ)」という技術を共同開発中とか。これに対し、自動車はパワーがケタ違いのため、電子機器や人体に悪影響がないよう、電磁シールドなどの工夫も求められますが、うまくいけば電気自動車の普及を後押しする技術になるかもしれません。

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