東北大発ベンチャーが開発した肺疾患治療薬候補「RS5614」の有能性
東北大学発ベンチャーのレナサイエンス(東京都中央区、内藤幸嗣社長)は、京都大学と特発性間質性肺炎の急性増悪を対象とした共同研究の契約を結んだ。レナサイエンスが開発したプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI―1)阻害薬「RS5614」について、臨床試験を視野に入れて有効性と安全性を検討する。
特発性間質性肺炎は肺組織の炎症や線維化が特徴の肺疾患で、呼吸困難などの症状を引き起こす。特発性間質性肺炎の急性増悪は、同疾患患者の死亡原因の約40%を占めるなど、予後が悪い。
RS5614は非臨床試験において、血栓や炎症、線維化を抑制する作用が明らかになっており、間質性肺炎に有効な可能性がある。すでに新型コロナウイルスによる肺傷害について、東北大学など国内20の大学や医療機関と共同で医師主導の臨床試験(治験)を実施するなど、開発が進んでいる。
日刊工業新聞 2023年01月04日