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まだら模様の自動車メーカー世界生産、日産が大幅減になった要因

まだら模様の自動車メーカー世界生産、日産が大幅減になった要因

日産の小型HV「キックス」

乗用車メーカー8社が26日発表した11月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比4・3%減の210万8683台だった。6カ月ぶりのマイナスで、4社が前年同月を下回った。半導体不足に加え、中国を中心に新型コロナウイルス感染症が再拡大し、生産や販売に影響した。一方でコロナ禍の影響が顕著だった2021年に対しての反動増もあり、4社が前年同月比でプラスとなった。引き続き、不透明な外部環境に左右されない安定的な生産体制の構築が課題となる。

メーカー別では、日産自動車の世界生産が前年同月比22・8%減の24万8961台で2カ月連続のマイナス。特に海外生産が同32・0%減の19万2348台と大きく落ち込んだ。中国ではコロナ禍による販売台数の減少が生産を押し下げた。メキシコ工場での小型スポーツ多目的車(SUV)「キックス」の減産も響いた。

三菱自動車の世界生産は同13・5%減の8万2720台。国内ではSUV「エクリプスクロス」、海外ではタイ工場で生産するピックアップトラック「トライトン」の減産が主因となった。ホンダも半導体不足や新型コロナなど複合的な要因による生産の停滞で、同12・2%減の32万5996台と6カ月ぶりのマイナスだった。

一方、ダイハツ工業はインドネシアやマレーシアでの生産・販売が好調だった。世界生産は同11・0%増の16万1375台と11月として過去最高だった。

各社の世界生産はまだら模様だが、部品供給難による生産調整は今後も継続しそう。トヨタ自動車は23年1月に半導体不足の影響を受け、国内工場2ラインで6―9日間稼働を止める。1月の世界生産台数は70万台程度となる見通しだ。


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日刊工業新聞 2022年12月27日

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