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アイフォーン減産、部品メーカーで優勝劣敗の差は何だ?

受動部品の村田、TDKは影響軽微。京セラ、アルプス苦戦

中堅メーカー、再編の対象に


 とはいえここ数年の販売台数二ケタ成長時代と比べると、成長鈍化がはっきりしていくことにかわりはない。各社はスマホの成長鈍化は織り込み済みで、ここ何年かで車やロボットなど成長市場開拓に向けた種まきを進めてきた。

 17年3月期もこうした非スマホ領域を収益源にするための戦略的な取り組みは一層熱を帯びそう。スマホ向け部品がまだ底堅く推移するとみられるここ2ー3年以内で成長市場に向けた収益の土台作りができるかできないかで、中堅を含めた部品業界の優勝劣敗がはっきりしてきそうだ。  

 競争激化を見通し、グループ会社を再編する企業も出てきた。京セラは4月1日付で子会社の京セラサーキットソリューションズ(京都市伏見区)と、京セラケミカル(東京都品川区)を吸収合併する。村田製作所は連結子会社の東光を5月1日付で完全子会社化する。いずれも新市場開拓や商品開発を加速する狙いがある。
日刊工業新聞2016年2月1日電機・電子部品面の記事に加筆
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
成熟市場を巡る競争とシステム化、モジュール化の流れによって、これから2ー3年で部品メーカーの顔ぶれ、勢力図は変わるだろう。 (日刊工業新聞社第一産業部・下氏香菜子)

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