アイフォーン減産、部品メーカーで優勝劣敗の差は何だ?
受動部品の村田、TDKは影響軽微。京セラ、アルプス苦戦
電子部品大手5社の2016年3月期連結業績はスマートフォン向け部品事業で明暗が分かれる。米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)6s」の減産影響を受けながらも、スマホの高機能化で端末1台あたりの部品採用数を伸ばした村田製作所とTDKは業績が好調なまま着地する見通し。一方、京セラやアルプス電気は苦戦する。17年3月期以降はスマホの成長鈍化が本格的に始まる。車やロボットなど非スマホ分野の開拓に向け競争も活発化する。
スマホ向けは米アップルの生産調整がある中で、受動部品を主力とする村田製作所とTDK2社の通期業績が想定通り着地しそうだ。特に中国などで高速無線通信「LTE」端末が普及し始めたことなどを背景に、端末1台当たりに搭載する高周波部品の数が増加したことが寄与する。村田製作所の藤田能孝副社長は15年10月に上方修正した業績予想は「かなり保守的で間違いなく達成できる」と断言した。
TDKも15年4―12月期で営業利益が過去最高を達成。SAWフィルターなど高周波部品に加え、リチウムポリマー二次電池のシェアアップで拡販に成功したのが主な要因。高周波部品の需要増で今期設備投資は、期初予想より200億円増の1500億円に見直す。
「中国メーカーの勝ち組と取引していることもあり、スマホ向けは想定通り」(TDK山西哲司執行役員)と冷静。一方、アルプス電気は米アップルとみられる特定顧客向けカメラ用アクチュエーターや磁気センサーなどの需要が鈍り、通期業績見通しを下方修正。京セラも今期2度目の下方修正を発表した。
17年3月期のスマホ向け部品需要について、各社は現時点で特段不安視していない。村田製作所は高周波部品の生産能力がまだ足りない状況で、16年度も15年度と同水準の1500億円前後の設備投資を実行する見通し。藤田能孝副社長は「来年度も売上高は10―20%伸ばしたい」と強気の見通しを示した。
15年度は下期に伸び悩んだアルプス電気も、決算説明会で「期初予想の設備投資計画に変更はなく、17年3月期に向けて予定通り(投資)を実行している」(同社担当者)と説明する。
端末の多バンド化、新興国市場への高速無線通信「LTE」端末の普及が引き続き部品需要をけん引することや、米アップルの「iPhone」が今年フルモデルチェンジの年であること、中国スマホではファーウェイといったメーカーが新興国に端末を輸出し、存在感を強めていることなどが背景にありそうだ。
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端末1台当たりで搭載数が増える
スマホ向けは米アップルの生産調整がある中で、受動部品を主力とする村田製作所とTDK2社の通期業績が想定通り着地しそうだ。特に中国などで高速無線通信「LTE」端末が普及し始めたことなどを背景に、端末1台当たりに搭載する高周波部品の数が増加したことが寄与する。村田製作所の藤田能孝副社長は15年10月に上方修正した業績予想は「かなり保守的で間違いなく達成できる」と断言した。
TDKも15年4―12月期で営業利益が過去最高を達成。SAWフィルターなど高周波部品に加え、リチウムポリマー二次電池のシェアアップで拡販に成功したのが主な要因。高周波部品の需要増で今期設備投資は、期初予想より200億円増の1500億円に見直す。
「中国メーカーの勝ち組と取引していることもあり、スマホ向けは想定通り」(TDK山西哲司執行役員)と冷静。一方、アルプス電気は米アップルとみられる特定顧客向けカメラ用アクチュエーターや磁気センサーなどの需要が鈍り、通期業績見通しを下方修正。京セラも今期2度目の下方修正を発表した。
16年度の需要見通しは強気
17年3月期のスマホ向け部品需要について、各社は現時点で特段不安視していない。村田製作所は高周波部品の生産能力がまだ足りない状況で、16年度も15年度と同水準の1500億円前後の設備投資を実行する見通し。藤田能孝副社長は「来年度も売上高は10―20%伸ばしたい」と強気の見通しを示した。
15年度は下期に伸び悩んだアルプス電気も、決算説明会で「期初予想の設備投資計画に変更はなく、17年3月期に向けて予定通り(投資)を実行している」(同社担当者)と説明する。
端末の多バンド化、新興国市場への高速無線通信「LTE」端末の普及が引き続き部品需要をけん引することや、米アップルの「iPhone」が今年フルモデルチェンジの年であること、中国スマホではファーウェイといったメーカーが新興国に端末を輸出し、存在感を強めていることなどが背景にありそうだ。
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日刊工業新聞2016年2月1日電機・電子部品面の記事に加筆