CFRP-標準化に官民が動く!

経産省など、年内に熱可塑性CFRP成形のJIS策定−国際標準へ先手

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低コストで生産できる熱可塑性CFRPは自動車など幅広い産業で導入が見込まれる(トヨタ「MIRAI」)
 経済産業省は、日本プラスチック工業連盟などと共同で2015年内に次世代の軽量素材「熱可塑性炭素繊維強化プラスチック(CFRP)」の成形に関する日本工業規格(JIS)を策定する。熱を加えると加工しやすくなる熱可塑性CFRPは、現在主流のCFRPより生産コストを下げられ、航空機や自動車、産業機械など幅広い産業での導入が見込まれる。日本発の国際標準規格としての普及も視野に入れている。
 
 JIS策定など標準化は、日本プラスチック工業連盟を事務局とし、自動車や電機、航空分野など業界団体、東京大学など30弱の組織が加盟する「強化繊維・複合材料標準化本委員会」が担う。今後はJISを拡充するとともに、国際標準規格(ISO)取得に向けて検討する。技術流出などデメリットも考慮する。
 
 熱可塑性CFRPの成形に関する規格では、海外で一部作成されているが、国際的な標準にはなっていない。同委員会で策定するものは、より幅広い視点を取り入れ、より実用的な規格に仕上げることにより、標準化をリードする。

 熱可塑性CFRPは、熱で融解する樹脂を炭素繊維シートに浸して含ませたものを、加熱して柔らかい状態でプレス成形する。現在主流の熱硬化性CFRPではオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)で数時間かけて成形するのに対し、時間を大幅に削減でき、現在は1分以内の成形も視野に入る。

 また、現在のCFRPは採用先は航空機の構造部材などに限られる。熱可塑性CFRPの課題である品質安定化などが解決すれば、自動車の部品などにも応用が期待される。炭素繊維は日本発の製品で、東レなど日本勢が高いシェアを持つ。ただ、主な用途の航空機やスポーツカーなどは欧米企業が強く、欧米に標準化で先行されている。

日刊工業新聞2015年04月21日 総合2/国際面

COMMENT

村上毅
編集局ニュースセンター
デスク

新しく優れた素材を使うためには、品質が安定し、ばらつきが無いことが条件だ。「技術の発展と標準化は表裏一体の関係」と言われるが、官民連携で標準化に取り組むことは欠かせない。日本のJISは標準化の取り組みの中でも世界をリードしていて、それが技術力の高さの裏付けにもなっている。日本メーカーのCFRPのシェアは高いが、標準化でリードできれば競争力も確保につながる。

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