ニュースイッチ

富士フイルムが着手、AI活用「認知症検査」の中身

富士フイルムは人工知能(AI)を使った認知症スクリーニング検査手法の確立に向け、東京都健康長寿医療センターとの共同研究を開始した。眼鏡型ウエアラブルデバイスで計測した眼や体の動きのデータとAIを活用し、検査手法の確立を目指す。認知症の疑いを判定するアルゴリズムを搭載したシステムやアプリケーションについて2024年度の開発を目指す。

共同研究では、認知症患者約100人を対象とした臨床試験を実施する。高精度センサーを搭載した眼鏡型ウエアラブルデバイスを使い、患者の視線移動やまばたきの回数、頭部の傾き、歩行時の左右バランスなどのデータを収集する。AI技術を用いて解析し、認知症疑いの判定に有効なデータ指標を見つける。

日本の認知症患者は、25年には約700万人に増加すると予測される。認知症の診断には専門医のもとで検査や問診などを実施するため長時間かかり、また患者の負担も大きい。早期発見と早期治療につなげるため、簡便な検査手法の確立が急務となっている。

日刊工業新聞 2022年11月15日

編集部のおすすめ