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商工会議所の三村会頭が9年間の任期中で最も感銘を受けたこと

商工会議所の三村会頭が9年間の任期中で最も感銘を受けたこと

花束を持ってほほ笑む三村会頭

「新しい『石垣』づくりに取り組んだ日々だった」。日本商工会議所の三村明夫会頭は20日、最後の定例会見で任期9年間を振り返った。 

「2013年11月に会頭として初めて記者会見に臨んだときに『大企業出身のあなたに、中小企業のことが分かるのか』と問われたことが胸にささった。その時に永野重雄(新日本製鉄出身で日商会頭を務めた)さんの『日本は中小企業と大企業が組み合わさることで堅固な石垣を構築している』という言葉を知り、自分の役割は新しい石垣を作ることだと思い至った」と9年間の活動の素地となった思いを語った。

 

任期中で最も感銘を受けたことについて、「11年の東日本大震災後の混乱期に、被災地の企業が津波で使えなかった機械の代わりに、他の企業の遊休設備を融通する取り組みが3266件もの規模でできたこと。全国515会議所の助け合う力を感じた」という。

小林健次期会頭に対しては「はっきりしているのは、人手不足で賃金レベルは上がり、それに対処できない企業は人が採用できなくなること。企業は自己変革をしていかなければならない。変化に挑戦する企業の活動を後押ししてもらいたい」とエールを送った。

日刊工業新聞2022年10月21日

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