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自動車部品メーカーの金属を「叩く」技術から生まれた、新しい調理器具

【FACTORY'S GOODs】旭鉄工「ウチグ」

調理器具「ウチグ」は、肉叩きやマッシャー、すりこぎなどの役割を兼ね備える。食材を叩く、割る、すりつぶすといった作業ができる。ステンレス製で、鍛造ならではの耐久性と、手になじむ質感が特徴だ。手がけるのは自動車部品の熱間鍛造を行う旭鉄工。「鍛造も同製品も共通点は打つことなので、『打ち具(ウチグ)』と名付けた」と開発に携わった経営企画部の生田厚史次長は話す。

中小製造業14社・約40製品が集まる! 「モノづくりの面白さ」「技術の奥深さ」を伝えるポップアップストア 【強度を生かした新たな調理器具】

同社はコロナ禍をきっかけに自社製品開発を始めた。従来手がけていなかったチタンやステンレス鍛造によるBツーC(対消費者)向けの量産品を製造することで、ノウハウを蓄積。この実績をもとにBツーB(企業間)向け製品の取引拡大を目指している。

ウチグ製造工程。金属を高温に熱して叩き、成形する

ウチグはステンレス鍛造で製造している。強度を生かした新たな調理器具を検討し9本の試作品を経て完成した。解析シミュレーションで金型を改善し、表面の風合いを出すため研磨に工夫を凝らした。各工程を内製化しているため、柔軟な対応や微調整が可能だった。

【いいものを作るだけでは売れない】

商品に関する情報発信にも力を入れ、料理研究家にウチグを使った新たな料理の考案を依頼し交流サイト(SNS)に掲出するなど、利用イメージが湧きやすいよう心掛けた。「ただいいものを作っているだけでは売れない。消費者の立場に立った時に良さが伝わる必要がある」と生田次長は強調する。

2月にクラウドファンディングで先行予約を開始したところ、目標を上回る265本の受注があった。7月より自社電子商取引(EC)サイトなどで一般発売を開始した。

同社では他にも、チタン鍛造によるまな板やマッサージグッズなどを自社開発し、発売している。7月には新製品の鉄製のホットサンドメーカーのクラウドファンディングを行い、2時間で目標金額を達成した。こちらも鍛造の特徴を生かし、強度の高い製品に仕上げた。

鉄製ホットサンドメーカー FOG

これらのBツーC製品が呼び水となり、すでにステンレス鍛造の試作品依頼が来ており、好循環が生まれている。

商品情報

商品名:チタンまな板 SIKI TITANIUM CUTTING BOARD
用途:まな板、お皿
カラー:シルバー
サイズ(mm):W235xD235xH13  板厚1mm
価格(税込):21,560円
商品名:キッチンツール ウチグ
用途:割る、たたく、潰す、揉み込む、練るといった、食材を”打つ”ことに特化したキッチンツール
カラー:シルバー(ステンレス材)
サイズ(mm):W50×D43×H148(240g)
価格(税込):23,760円
商品名:純チタンマッサージオブジェ pause(3個セット)
用途:ボディケア、オブジェ
カラー:シルバー
pause / 001
サイズ(mm):D75×W85×H23(240g)
価格(税込):58,080円
pause / 002
サイズ(mm):D54×W56×H26(130g)
価格(税込):49,280円
pause / 003
サイズ(mm):D55×W60×H30(135g)
価格(税込):49,280円
3点セット価格(税込):147,180円
商品名:鉄製ホットサンドメーカー FOG
用途:キャンプ、BBQなどのアウトドア
カラー:ブラック
<グリルプレート>
サイズ(mm):D163×W197×H30 底厚約5.5mm(約1500g)
<浅型フライパンプレート>
サイズ(mm):D163× W197×H22 底厚約4mm(約1100g)
<深型フライパンプレート>
サイズ(mm):D163×W197×H44  底厚約4mm(約1300g )
<ハンドル(2本)>
サイズ(mm):D30×W220×H15(150g)
価格(税込):52,800円

販売サイトURL:https://asahi-tekko.shop-pro.jp/

企業紹介

旭鉄工㈱ ASAHI TEKKO CO.,LTD.
所在:〒447-8505 愛知県碧南市中山町7丁目26番地
従業員数:439人
主な製造品:自動車部品
 約1250℃に加熱した金属素材を金型で打ち叩き、鍛えてかたちを造る技術「熱間鍛造」を得意とする。金属の見た目は大きく変わらないものの、素材の繊維が密につながり、強度が強くなる特徴がある。この熱間鍛造を使い、車に使われているエンジン・トランスミッションなどの金属部品を製造。熱間鍛造だけでなく機械による加工、溶接などさまざまな加工法を自社内で行っている。
 また、フェイスシールドやまな板など、自社製品の開発にも力を入れている。自社製品開発で得たノウハウを自動車部品開発などに活かす取組みも行っている。

FACTORY’S GOODs 詳細情報

10月開催 BtoB展示&ポップアップストア @東京ビッグサイト
会期:2022年10月19日(水)〜21日(金)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト西4ホール F-01(東京都江東区有明3-11-1)
入場登録:要 (お申し込み https://autumnfair.nikkan.co.jp/
日刊工業新聞社など主催の7つのビジネス展示会との併催です。申し込みサイトは2022洗浄総合展、Japan Robot Week 2022、VACUUM2022真空展、SAMPE Japan 先端材料技術展2022、スマートファクトリーJapan2022、高精度・難加工技術展2022、表面改質展2022と共通です。
入場料:入場登録者、招待券持参者、中学生以下は無料

11月開催ポップアップストア @WITH HARAJUKU
会期:2022年 11月18日(金)〜19日(土)11:00~18:00
場所:WITH HARAJUKU(東京都渋谷区神宮前1-14-30)
入場登録:不要
入場料:無料

特設Webサイト:https://biz.nikkan.co.jp/brand/factorysgoods/

展示会スポンサー

日進工具株式会社
 株式会社ソディック
 牧野フライス精機株式会社
 碌々産業株式会社
 株式会社牧野フライス製作所
 一般社団法人日本工作機械工業会
 株式会社アマダ
 モノづくり日本会議

日刊工業新聞2022年6月3日一部追加修正

特集・連載情報

ファクトリーズグッズ
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「FACTORY'S GOODs(ファクトリーズグッズ)」は日本のモノづくり企業の技術と知恵、センスとギミックが詰め込まれた、「GOOD」なmade in 工場の製品を紹介・販売するポップアップストアです。
日本のモノづくりの面白さ、技術の奥深さ、その価値を、若者を中心に幅広い人々に伝えたい。モノづくりへの純粋な驚きと興味を広げ、次世代につなげたい―そんな思いを持った日刊工業新聞社の社員から生まれた企画です。
製品のファンを創出するだけでなく、今後の日本のモノづくりに興味を持ってもらうことで「持続可能な日本のモノづくり」を担う次世代の人材発掘も目指します。

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