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エアーホッケー、ゴールする軌道を可視化する技術が面白い

電気通信大学の宮下将季大学院生と工藤俊亮准教授らは、エアホッケーのバンクショットをリアルタイム表示するシステムを開発した。高速カメラでパックを撮影し、プロジェクターでホッケー台の壁に反射させてゴールする軌道を表示する。初心者にとって狙うべきコースや守るべきコースが分かる。

天井からホッケー台を高速カメラで撮影してパックの位置座標を求める。高速カメラの撮影速度は毎秒200回のため秒速5メートルで滑るパックは2・5センチメートル間隔で座標が求まる。このデータからホッケー台の壁に当てた際の反発係数を求めて2本のバンクショットコースを投映する。

撮影から投映まで約45ミリ秒程度の遅延があるため、45ミリ秒後のパックの位置を予測して表示する。パックの動きに合わせてリアルタイムに表示できた。

6人でバンクショットを打てるか検証したところコースの提示の有無でショット成功率に有意差はなかった。コースは提示されるものの、打ち分けることが技術的に難しい。

エアホッケーではパックの動きが高速で初心者はパックを目で追うだけでも苦労する。ただバンクショットのコースは限られ、事前に提示されているととっさに防ぎやすいと考えられる。今後、防衛側の評価や提示したコースに打ち分けるためのサポートを検討する。

日刊工業新聞2022年9月27日

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