価格3割安・耐久性2倍、トヨタ系メーカーが製品化したFCフォークリフトの性能
豊田自動織機は、第2世代の燃料電池(FC)フォークリフトを製品化し、発売した。従来比で価格を3割下げ、耐久性は2倍に高めた。最大積載荷重が1・8トンの小型タイプで、消費税抜きの価格は998万円。補助金を活用すれば実質680万円。国内で年100台の販売を目指し、海外展開も視野に入れる。
FCスタックにはトヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」のセルを応用。独自設計でセル数を削減したほか、ミライや既存製品との共用部品の比率を従来比2倍にするなどしてコストを低減した。
トラックからの荷物の積み降ろし作業を無人化する人工知能(AI)活用自動運転フォークも初披露した。2024年までの早い段階で市場投入を目指す。
高性能センサーの3次元(3D)LiDAR(ライダー)でトラックの位置や状態を把握し、積まれた荷物やパレットの位置などを画像認識で検出する。これらの情報からフォークを差し込める経路を自動で生成し、パレットを運ぶ。1パレット当たりの作業時間は2分。
このほかバイオ燃料対応エンジン、水素エンジンを搭載するフォークの開発も始めたと明らかにした。豊田織機の一条恒経営役員は「物流業界の人手不足や脱炭素化に貢献する。有用性の高い内燃機関の可能性を広げるチャレンジもしたい」と意気込んだ。
日刊工業新聞 2022年9月14日