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英国で動き出す「日立・原発」。プラントメーカー再編は加速するか

日本政府がインフラ輸出後押し
英国で動き出す「日立・原発」。プラントメーカー再編は加速するか

ホライズン・ニュークリア・パワーのホームページより


水と油の関係は変化するか


 国内メーカーの関係でいえば、東芝が経営再建の過程で「WHを自社に残した上で、BWR事業を日立と統合するのが最も理にかなっている」(電機セクターアナリスト)。ただ日立と東芝は長くライバル関係にあり、「特に電力部門は水と油」(日立幹部OB)と言われている。

 ただ危機の東芝にあって面子どころではない。またWH買収を決断した西田元社長、原子力部門出身の佐々木則夫元社長が会社を去ったことも、両社が接近する上でプラスになろう。

 今回の東芝の不正会計問題の引き金は財務状況に目をつぶったWHの無謀な買収だったという声は多い。その騒動を原発で「締め」ることになれば因縁は回収される。あとは経産省がどこまで豪腕を発揮するかー。
日刊工業新聞2016年1月20日 3面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
東芝は英国以外でフィンランドでもABWRの受注を目指している。さまざまな事業ポートフォリオの見直し、構造改革を進める中で、原発事業を継続するならWHとBWR事業の2つを持つことは事実上難しいと思う。日立との連携が実現してもおかしくない。日立はホライズンの出資比率をどう引き下げるか。それとも連動するが、電力会社をどうするか。

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