正確性50倍向上、東大が精密計測に成功したダイヤ量子センサーの実力
東京大学の塚本萌太大学院生と佐々木健人助教、小林研介教授らは、ダイヤモンド量子センサーを機械学習で補正して精密な計測に成功した。従来技術に比べ最大で50倍ほど正確性が向上した。物理や材料、生物などの磁場計測に提案する。
ダイヤモンド中の窒素空孔中心を磁場計測に利用する。
ナノサイズ(ナノは10億分の1)のダイヤモンドをガラス上に成膜し、外からコイルで磁場を変化させて応答を測る。
従来は物理モデルを用いて補正していたが、機械学習のガウス過程回帰で補正すると磁場を正確に測れた。最大で1・8マイクロテスラ(マイクロは100万分の1)の正確性だった。ナノダイヤモンド膜を半導体などに成膜して精密計測できるようになる。
日刊工業新聞2022年9月5日