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成田空港でロボ活用のコロナPCR検査、川重執行役員が強調した意義

成田空港でロボ活用のコロナPCR検査、川重執行役員が強調した意義

1コンテナにつき13台の産業用ロボットが活躍、約80分で検体を検査できる

川崎重工業は成田国際空港で新型コロナウイルス感染症のPCR検査サービスを始めた。同社製産業用ロボットを活用した無人かつ自動の検査システムによって、医療従事者の感染リスク低減などを図る。空港でのPCR検査事業は2021年9月に始めた関西国際空港に続いて2カ所目となる。

成田国際空港第1ターミナル駐車場に衛生検査所を設営した。日本医科大学が採取した検体を受け取り検査する。2台設置したコンテナ内で計26台のロボットが稼働(写真)。1日16時間運用した場合、1コンテナにつき最大2500検体を検査できる。1コンテナは基本的にバックアップ用だが、検査件数の需要次第で併用する。

日本医科大の担当者によると、足元では新型コロナの水際対策を緩和する国の増加を背景に空港での検体検査件数は減少傾向にあるが、再度感染拡大が起こり、各国の対策が強化される可能性などを見越して能力強化に踏み切った。

川崎重工業の石田正俊執行役員は「成田国際空港は日本の空の玄関。旅客需要も高く、ここでサービスをすることに意義がある」と強調。医療従事者の感染リスクを下げると同時に、80分という短時間かつ高精度で多数の検体を検査するシステムによって、人の流動化に伴う経済復興を強力に支援する構えだ。

日刊工業新聞2022年8月29日

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