商船三井が6隻新造、「LNG燃料大型船」の全容
商船三井は、重油に代わり液化天然ガス(LNG)を主燃料とする大型船6隻を新造する。ケープサイズ(積載重量15万トン超)のバラ積み船4隻と原油タンカー2隻で、いずれも2025―26年に竣工する。総投資額は非公表だが、数百億円規模の見通し。同社は2050年に温室効果ガス(GHG)排出を実質ゼロにする方針を掲げ、30年までにLNG燃料船を90隻投入する方針を示しており、今回の新造もその一環となる。
LNG燃料は重油よりGHGの排出を約3割抑える効果がある。田中利明副社長は、アンモニアや水素などGHGを排出しない燃料を使う船舶の本格導入には時間がかかるとした上で、「今すぐできることとして、LNG船の導入を積極的に進めたい」と話した。
バラ積み船は全長約300メートル、全幅約50メートルで、載貨重量は約21万トン。中国国有の造船最大手、中国船舶集団(CSSC)グループの青島北海造船と建造計画を結んだ。
原油タンカーは全長約340メートル、全幅約60メートルで、載貨重量は約30万9000トン。川崎重工業が海運大手の中国遠洋海運集団と共同運営する大連中遠海運川崎船舶工程で建造する。30万トン級の大型原油タンカーでLNGを主燃料とするのは日本初だという。
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日刊工業新聞2022年8月26日