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「自動車整備業」は100%…原材料・部品「調達遅れ」深刻

東京商工リサーチ(TSR)がまとめた原材料・資材の「調達難・コスト上昇に関する調査」によれば、必要な原材料・部品の調達遅れが「生じている」と回答した企業が74・3%に達した。中でも世界規模でサプライチェーン(供給網)が形成される自動車関連の影響は深刻で、「自動車整備業」は全ての企業が「調達遅れが生じている」と回答した。

調達遅れが「生じており、2021年より悪化している」が最多の40・9%。「21年と変わらず生じている」が24・9%、「生じているが、21年に比べて正常化しつつある」が8・4%だった。

「生じている」と回答した企業を業種別で分析したところ、構成比が最も高かったのは、自動車整備業で100%。次いで電気機械器具製造業が95・7%など90%以上が8業種に及んだ。

また、「生じている」とした企業が原材料や部品の円滑な調達に向けて、現在どのような対応策を取っているか聞いたところ、最多は「調達先の分散」で46・6%だった。「生産拠点の変更」の回答も目立ち、「国内回帰」が3・1%だった。「新興国の経済発展や為替変動などで海外移転のメリットが薄れ、生産拠点の国内回帰に向けた期待が高まっている」(TSR)。

さらに、世界的な原油・原材料価格の高騰により、調達コストの増加の影響を受けているかどうかについては、「影響を受けている」が80・8%だった。このうち、何割を価格転嫁できているかについては「転嫁できていない」が48・5%でほぼ半数に達した。一方、「10割」(全額転嫁)は5・5%にとどまった。

調査は8月1―9日に実施。有効回答企業数は6375社。

日刊工業新聞 2022年8月24日

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