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下水からコロナ検出、市販キットで最短6時間で完了

北海道大学大学院工学研究院の北島正章准教授と岡部聡教授、安藤宏紀大学院生と塩野義製薬は、下水中の新型コロナウイルスリボ核酸(RNA)の高感度検出技術「EPISENS-S法」を開発した。RNA抽出に市販キットを使うなど特別な機器が不要で費用対効果が高く、最短6時間で完了する。同技術普及で下水疫学情報の社会実装の加速が期待される。

同技術は下水試料を遠心分離して得た沈殿物からRNAを抽出し、デオキシリボ核酸(DNA)を合成する逆転写や遺伝子を増やす前増幅反応の後に定量PCRでRNA濃度を測定する。逆転写と前増幅反応には手間の少ない1ステップ法を採用。同じ手法で下水中の糞便濃度の指標に使われるトウガラシ微斑ウイルスRNAも検出でき、これを基準に新型コロナウイルスに関する分析結果の妥当性の評価や雨水などによる影響の補正が可能。

日刊工業新聞2022年8月22日

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