特養・保育園で導入促進、エアコンサブスクの経済性は?
エアアズアサービス(東京都墨田区、大下泰典社長)は、環境省のサブスクリプション(定額制)を活用したエアコン普及促進モデル事業の実施事業者として、特別養護老人ホーム(特養)と保育園、障がい者支援施設で同事業に乗り出した。初期コストを削減することで、エアコンの設置を促し、熱中症予防対策を進めるとともに、その経済性と効果を改めて検証する。
エアアズアサービスは、エアコンのサブスクリプションサービスを展開している。導入先の施設に適した機器の選定から、その所有、維持管理、運用をパッケージ提案する。IoT(モノのインターネット)技術により、エアコンの稼働状況をリアルタイムに監視し、事前に部品を交換することなどで故障を未然に防ぐ。稼働状況のビッグデータ(大量データ)を活用し、最適な運用改善を提案して電力使用量削減を支援する。
同サービスを活用して実証を行う。千葉県船橋市の特養、埼玉県春日部市の保育園、同寄居町と神奈川県平塚市の障がい者支援施設でスタート。通常のサービス内容に加えて、人間の熱バランスに大きな影響がある気温と湿度、輻射熱、風を取り入れた「暑さ指数」を計測し、効率的な熱中症予防対策を講じる。
今回の事業期間は2023年2月末までだが、4施設とは7―13年間の長期契約を結んだ。
同社は三井物産とダイキンエアテクノ(東京都墨田区)の共同出資会社。エアコンサービスの導入先は特養や保育園、障がい者支援施設に加え、病院、介護老人保健施設、福祉施設などが全体の60%を占め、オフィスビルの20%が続く。
日刊工業新聞2022年8月5日