キリンがミャンマー撤退、224億円で合弁相手に保有株売却
キリンホールディングス(HD)は、ミャンマー国軍系年金基金ファンドと合弁で運営するミャンマー・ブルワリー(MBL)の全保有株式をMBLに売却する。譲渡額は約224億円。キリンHDは2月にミャンマー事業からの撤退を決定後、国軍とは無関係の第三者への株式譲渡を模索したが、有力な譲渡先が見つからなかった。従業員や取引先への影響を最小限に抑え、かつ早期の合弁解消を図るため、MBLに買い取らせることが最適な手段であると判断した。
MBLはキリンHDが51%、国軍系年金基金ファンドのミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHPCL)が49%を出資。キリンHDは2021年2月のクーデタ勃発後に合弁解消を要求したが、交渉が難航し、保有株式を6月末までに売却する方針を示していた。キリンHDは外国企業を含め国軍とは無関係の売却先を探したが、国軍が実権を握るミャンマーで国軍系企業以外の譲渡先を見つけることはできなかった。
日刊工業新聞2022年7月1日