電力各社が相次ぎ打ち出した電力不足対策の中身
電力各社では今夏の電力需給の逼迫(ひっぱく)を受けて対応策を相次いで打ち出した。
関西電力と関西電力送配電は、節電プロジェクトを発表した。関電と契約する家庭を対象に、電力需給が逼迫するタイミングで節電した顧客に節電量に応じ買い物や電気料金の支払いなどに使えるポイントを付与する。7月1日から申し込みを受け付ける。実施期間は7月4日―9月30日まで。
電力供給面では当初10月を予定していた美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町)の運転再開時期を8月に前倒しする。関電の森望社長は「安定供給に最低限必要な予備率3%を上回る見通しだが予断を許さない。電力の安定供給に向け最大限の取り組みを進める」と述べた。
中部電力は、東京電力管内の電力需給逼迫を受けて電気の融通を実施している。一般送配電事業者の中部電力パワーグリッド(名古屋市東区)を通じて供給する。27日は13時半から20時に最大60万キロワット、21時から21時半に15万キロワットの電気を融通。28日は15時半から16時に約11万キロワット供給した。中部電の林欣吾社長は「要請があれば、中部エリアの余裕がある限り応援する」と説明した。
日刊工業新聞2022年6月29日