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三井物産とKDDIが立ち上げた「都市DX」新会社の全容

三井物産とKDDIが立ち上げた「都市DX」新会社の全容

新会社「ジオトラ」の社長に就任した陣内氏(左から2人目)ら

三井物産とKDDIは、都市のデジタル変革(DX)を推進する新会社を共同出資で設立した。人流を中心に地理空間上の情報を人工知能(AI)で分析し、可視化できるプラットフォームを提供する。2025年3月期に売上高で10億円規模、将来は100億円規模を目指す。

三井物産とKDDIは21年にAIと位置情報を活用し、人の移動手段や時間、目的などを把握・予測するプラットフォーム(基盤)と分析サービスを開発。これを新会社のGEOTRA(ジオトラ、東京都千代田区)が提供する。

資本金は10億円で、出資比率は三井物産が51%、KDDIが49%。社長には三井物産の陣内寛大氏が就任した。陣内氏は入社5年目で、若手人材を抜てきするキャリアチャレンジ制度の第1期生。

すでにジオトラは三菱地所と共同で丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)の魅力を向上させるため、今回のプラットフォームによるデータを活用し、MaaS(乗り物のサービス化)や街の利便性を向上させる施策を検討するなどの取り組みを進めている。

東京都渋谷区もジオトラのプラットフォームで区の課題を把握するためのデータを収集し、現状を可視化・分析する「シティダッシュボード」を活用している。これにより区内の移動ニーズやエリア・空間の特性を把握する方針だ。

9日都内で開いた会見で、陣内社長は「三井物産の都市開発、KDDIの位置情報ビッグデータ(大量データ)など両社の強みを掛け合わせ、両社ならではの地理空間分析プラットフォームとサービスを提供する」と述べた。

日刊工業新聞2022年6月10日

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