トヨタ系部品メーカーが出資した「マイクロ波給電」スタートアップの正体
豊田合成がスペースパワーと連携
豊田合成は、マイクロ波給電技術を手がけるスタートアップ、Space Power Technologies(スペースパワーテクノロジーズ、京都市西京区、古川実社長)に出資した。マイクロ波給電の独自技術を持つ企業と連携することで、同技術の普及を目指す。投資額は非公表。
スペースパワーは京都大学発のスタートアップ。マイクロ波給電はワイヤレス給電の一種で、離れたところにある電子機器などに無線で送電できる。同社は受電効率の高いアンテナ設計や効率的に電力変換する技術など、ワイヤレス送電時の電力ロスを抑える技術を保有する。マイクロ波給電の実用化には送電量を増やすことが課題。豊田合成との連携で技術の高度化に弾みをつける。
豊田合成は車室内の快適性やスマートシティー(次世代環境都市)のインフラとしての活用を視野に、マイクロ波給電の開発を進めている。2019年9月には同分野のベンチャー企業、米Ossia(オシア、ワシントン州)に出資した。スペースパワーとの提携で協業の幅を広げ、同技術の早期実用化につなげる。
日刊工業新聞2022年6月6日