30トン級HVショベルをインドネシアに投入するコマツの勝算
コマツはインドネシア市場で、30トン級のハイブリッドショベル(写真)を2022年中に投入する。ハイブリッドショベルは一般のエンジンショベルより高価なことが難点だが、燃費性能が高い。ウクライナ危機以降、原油価格が世界的に高止まりしており、維持費用を加えたトータルコストで勝算が見込めると判断した。すでに数台を納入済みの中国でも、30トンハイブリッドショベルを拡販する。
インドネシアで現在販売している20トンショベルは、一般のディーゼルエンジン型。「大型の30トンショベルの方がハイブリッドの低燃費の魅力をPRできる」(小川啓之社長)との判断で、30トンハイブリッドショベルを投入する。中国向けの30トンショベルは中国国内の工場で組み立てて販売しているが、インドネシアへは日本から輸出する。販売台数が増えれば、タイ工場やインドネシア工場での生産も検討する。
ハイブリッドショベルはコマツが世界に先駆けて08年に発売した。環境意識が高い欧州市場では、ショベル販売台数の約4割をハイブリッド式が占める。リチウムイオン電池を使用する電動ショベルより、パワーが大きく出せるのも特徴。汎用性が高いため、さまざまな工事現場で使用できる。
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日刊工業新聞2022年5月31日