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モノづくり日本会議 「企業価値革新検討会」を始動

サイバーリスク対策で経営者の理解深める

モノづくり日本会議は情報発信事業の新たな柱として「企業価値革新検討会」を本格的に始動する。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)をはじめとする環境面における取り組み、国連の持続可能な開発目標(SDGs)への対応など、企業は社会において果たす役割を明らかにする必要に迫られている。こうした対応は企業価値を向上させる契機となる。ポストコロナ対応も含め、企業価値を革新していく好機をさまざまな業種の企業が生かせるよう、幅広いテーマで情報発信し、イノベーション手法などを多角的かつ具体的に検討する。

まず大きな柱とするのは、企業のサイバーリスクへの対応だ。近年、グローバル企業への直接攻撃はもとより、サプライヤーである中小企業を踏み台として、大企業へ脅威を与えるサイバー攻撃も起きている。国内では2020年、産業界が一体となりサプライチェーン全体でのサイバーセキュリティー対策を進める「サプライチェーン・サイバーセキュリティ・コンソーシアム(SC3)」が発足した。また、日本経済団体連合会(経団連)は、米国の著書をベースに、「サイバーリスクハンドブック」を作成し、企業がサイバーリスクをどう認識し対処していくか提案している。

オンライン中心に開催

こうした活動をベースとして、5月11日から3週連続で開くオンラインセミナーで経営層の理解を深める。同ハンドブックで示される五つの原則を踏まえ、経営層に求められるサイバーリスク対策について理解を深め、経営層が自ら対策を実行するよう促す。

また、サイバーセキュリティーの基礎を理解するためのテュフ・ラインランド・ジャパンによるセミナーも開催したところ(神奈川産業人クラブ共催)だ。

環境への取組や、1990年以降に生まれたZ世代との絆を考える活動「常若産業甲子園」についても5月13日のオンラインセミナーで紹介する。常に若々しくあることを意味する「常若(とこわか)」の精神からモノづくり、農林水産業をはじめとする日本のあらゆる産業のあり方を見つめ直す。

14年から福岡県宗像市で開催されている宗像国際環境会議において20年、「日本のものづくりの心と技は、常若から始まっている」とする「常若産業宣言」が発せられた。効率を高める機械化・自動化だけでなく、全ての産業において常若の精神の輪を広げる。「常若産業甲子園」は全国の小学生と高校生が将来の抱負を語り、大人がエールを送るドキュメンタリー映像を制作して発信するもの。

今回は環境問題への取り組みや、Z世代から社会人まであらゆる世代の人材育成を見つめ直すことで、企業の価値がいかにあるべきかについて探求する。

サイバーリスクに関するオンラインセミナー(5月11・18・25日開催)

上記セミナーの詳細はこちら

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