三菱自動車がEVでデータ活用、DeNAと協業する狙い
三菱自動車とディー・エヌ・エー(DeNA)は、商用電気自動車(EV)のデータ活用で協業する。車両データをクラウドシステム上で一元管理し、電池の劣化予測などのサービスにつなげる。データを集める車両は三菱自に限らないほか、集めたデータを誰もが使えアプリケーション(応用ソフト)を開発してサービスを提供できる連携基盤(プラットフォーム)を構築する。
これまで車両データの収集や活用は自動車メーカーが個別に手がけることが多かった。今回、両社は車各社に依らずデータを活用できる水平分業型の仕組みを構築。カーシェアリング車両のデータを束ねて一元的に活用するサービスや、複数のEVを蓄電池として電力と連携させるといったサービスを展開しやすくする。
車両単体では電池の劣化状況を細かく管理し、車両寿命の延伸や中古車価格の設定などに役立てる。また車載用から定置型電池として利用したり、電池としての役割を終えてリサイクルしたりするまで状態を把握することで、サーキュラーエコノミー(循環経済)の構築にもつなげる。
まずは三菱自の軽商用EV「ミニキャブ・ミーブ=写真」を活用し、連携基盤や水平分業型のサービス構築を目指す。
日刊工業新聞2022年3月24日