最先端の技術結集、「国際ロボット展」の見所をまるっと紹介

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遠隔で自動化システムの駆動速度を調整できる、アイエイアイのコントローラー「リモスピ」

9日に開幕した「2022国際ロボット展」では、最先端のロボットをはじめ自動化・省人化・無人化に貢献する製品・技術が集結している。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からも自動化・省人化の需要が強まる中、出展各社は顧客の利益拡大や競争力強化につながる技術提案に力を入れている。

物流・工場を自動化

アイエイアイ(静岡市清水区)は、物流や製品組み立てなど用途別の自動化システムの具体例を展示し、省電力による脱炭素支援をアピールする。その一環として、対象物に合わせて自動化システムの駆動スピードを遠隔から10段階で調整できるツール「リモスピ」、コントローラーを内蔵した超小型の電動シリンダー、業界最長規模の移動距離7メートルのロボットシステムなども紹介する。

Mujin(東京都江東区)は、工場自動化(FA)向けにリング部品高速バラ積みピッキングロボットや、バラ積み整列ロボットなどを公開。これまで物流向けで培った知能ロボットソリューション技術をFA分野へ生かす。ピッキングロボはダブルハンド機構により、速度を4・5秒で1個と従来比2倍強にした。独自開発の3次元(3D)ビジョンで表裏の判定もできる。

前後、左右、斜め 全方向移動

FA分野も物流同様、人手不足に加え、米中対立などで主要部品の国内生産回帰の動きが強まっている。「新開発などで多品種対応の重要性が高まり、電気自動車(EV)開発も追い風になっている」(Mujin)。

日本精工は人と同じように狭小空間でも全方向へ滑らかに走行できる車輪ユニット「アクティブキャスタ」を出展した。同ユニットを搭載した、たまご型の移動ロボットで前後、左右、斜めの移動を実演。同ユニットは旋回キャスターを電動化したもので、二つのモーターの回転差によって車輪の回転と操舵(そうだ)を実現した。同様に全方向移動が可能なメカナムホイールと異なり、振動や音を低減できる。

ヤマハ発動機は「ミクロン・トゥ・キロメートル」をテーマに多様な自動搬送を提案する。ティアフォー(名古屋市中村区)と共同開発し7月に定額サービスを始める屋内外対応自動搬送用EVも披露。長年販売実績があるゴルフカートをベースとし、工場棟間などで運転手に頼らない自動運転(レベル4)ができる。床にテープを貼るだけでルート指定できる無人搬送車「COW―el」もアピールする。

人が操る双腕重機

日本信号がJR西日本、人機一体などと開発を進める「多機能ハンドリング車」の試作機

日本信号はJR西日本、人機一体(滋賀県草津市)などと開発を進める鉄道会社向けの「多機能ハンドリング車」を紹介。人型重機ロボットと高所作業車を組み合わせた重機で、高所作業や重量物運搬作業の安全性を向上できる。作業車の運転席に座った人間が双腕の重機ロボを操作する。緩急剛柔自在の力制御ができ、片腕の可搬重量は20キログラム。より重い物を扱える単腕ロボも開発中で、2023年春ごろの商品化を目指す。

ユニークな協働ロボットの提案も目を引いた。伊藤忠マシンテクノス(東京都千代田区)は、ユニバーサルロボットの創業者の一人が立ち上げたデンマークのロボットベンチャー、カッソー・ロボッツの7軸協働ロボットを日本で初披露した。最大可搬質量5キロ―18キログラムを選べる。鉄道車両の足回りの点検など狭い空間での高度な作業が可能。「従来のロボットにできない課題解決を提案する」と、伊藤忠マシンテクノスの本郷義昭社長は意気込む。


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日刊工業新聞2022年3月10日

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