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初の売上高3兆円へ、住友化学がまとめた中計の中身

住友化学は、2024年度に初の売上高3兆円超(21年度予想2兆7100億円)、コア営業利益は過去最高の3000億円(同2450億円)を目指す次期中期経営計画を発表した。現中計で大型投資をした海外農薬事業や半導体材料などで収益を拡大する。環境負荷低減や半導体・電池材料などの高機能材料への投資を拡充し、さらに先の成長の手を打つ。

岩田圭一社長はオンライン会見で、「総合化学の力を結集し、社会課題の解決に貢献する。化学の力を示したい」と方針を語った。3カ年の設備投資・投融資額は約7500億円(19―21年度8800億円)を見込む。医・農薬分野の大型M&A(合併・買収)を行った現中計に比べ減るが、高水準を維持し、ポートフォリオの高度化を加速する。

会見する岩田社長

「足元の好業績に加え、成長の絵が描けるようになった。高水準投資とD/Eレシオ0・7倍を両立できる」(岩田社長)とした。

現中計は当初目標のコア営業利益2800億円は未達を見込むものの、M&Aなどで医・農薬分野の遅れを取り戻す対策は終えた。成果を回収し、24年度に3000億円を目指す。増益幅が最も大きいのは農薬関連で、410億円増を見込む。

化学産業は投資決定から収益化まで時間がかかるため、22―24年度の施策はさらに先のグリーントランスフォーメーション(GX)を見据える。石化部門を「エッセンシャルケミカルズ部門」に変更し、環境・循環経済を考慮したビジネスモデルへ転換を図る。

環境負荷低減に貢献するスミカ・サステナブル・ソリューションズ製品群の売上高は21年度見込みの5600億円から24年度7000億円、30年度1兆2000億円を目指す。

日刊工業新聞 2022年3月4日

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