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製造業向け「インフォマティクス」スタートアップ、1.5億円調達

製造業向け人工知能(AI)ソフトウエアを手がけるSUPWAT(スプワット、東京都渋谷区)はベンチャーキャピタル(VC)などから約1.5億円の資金調達を実施した。調達資金はエンジニアの採用や新しい学習アルゴリズム開発に使う。

スプワットは2019年設立のAIスタートアップ。製造業での設計や強度などのシュミレーションをデータによって最適化する「メカニカルインフォマティクス」を手がける。これまでは研究者の経験や過去のデータをもとに製品設計していた。メカニカルインフォマティクスでは、材料や過去の設計データから設計を予測することで開発速度を高める。また研究者の経験を可視化することで技術継承につなげる。横山卓矢最高経営責任者(CEO)は「素材の曲げ方や巻き方などのパラメーターを機械学習モデルに入れ込む。それらを活用することで、設計の精度とスピードを高める」と説明する。

ソフトウエアのイメージ

同社と東京大学の吉川暢宏教授研究室は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の燃料電池水素タンクの素材に関連する研究開発事業に採択。水素を貯蔵するための高圧水素容器の最適設計を研究する。自動車メーカーとも連携する。22年3月までにソフトウエアの導入社数を30社まで増やす。現在は汎用的なソフトウエアを提供するが、今後はユーザーの目的ごとに合わせた学習モデルも搭載するとしている。

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