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理工学の魅力伝える漫画コンテスト、選定された3作品をまるっと紹介 

IEEEジャパンカウンシル(東京都港区、橋本隆子会長=千葉商科大学教授)、大日本印刷、丸善雄松堂(東京都港区、矢野正也社長)は、IEEE学生会員を対象にした漫画プロットコンテストを開催、3作品を無料公開した。狙いは理工学の魅力を伝えることで、選ばれたのはいずれも理系女子(リケジョ)の物語だ。2作品は女子学生の手によるものだった。

世界最大の技術者組織、IEEE(アイ・トリプル・イー)の日本支部が主催した。学生会員のプロットを基に、プロ作家がシナリオ・漫画化する。日本支部所属の研究者らが監修し、大日本印刷が制作を支援、丸善雄松堂が出版元となった。日本語版と英語版で刊行。日本支部のサイトから、会員以外も必要事項の記載でアクセスできる。

「おりこう!リコちゃん」は天才理系少女が、数理モデルとシミュレーションによって、日常のささやかな謎を解明していく青春ミステリー。原作は福岡女子大学の学部生だ。

「さんしんちょーでー!」は、沖縄を舞台に三線職人と音響工学を研究する女子大生らのラブストーリー。原作は青山学院大学の大学院生と助教だ。

「コーガク女子」は工学部の3人の女子がそれぞれの視点で工学と、将来のための後学を見つめ、自分の道を見つけていく物語。原作は東京農工大学の学部生だ。

日刊工業新聞2022年2月10日
山本佳世子
山本佳世子 Yamamoto Kayoko 編集局科学技術部 論説委員兼編集委員
入賞作三つに共通する切り口として、発表者には「テーマはリケジョに絞っているのか?」と尋ねたのだが、結果としてそうなっただけだという返答だった。特定の社会問題は当事者と周囲の温度差が割合とあるものだが、リケジョ育成については周囲も重要性を強く意識しており、先行きの明るさを実感している。

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