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三井物産がCO2排出削減を支援するシステムで狙うビジネスチャンス

三井物産は二酸化炭素(CO2)の排出削減を支援するプラットフォーム(基盤、PF)の開発を加速している。サステナブル経営推進機構(SuMPO、東京都千代田区)と共同で、サプライチェーン(供給網)全体における製品やサービスの環境への影響を見える化するPFを開発。脱炭素支援に商機を見いだす。

三井物産がSuMPOと共同開発するプラットフォームはLCAを可視化する

SuMPOと開発中のPFは、自動車や日用品などの業界に提供する。原材料の調達や輸送、製造などの各工程で排出されるCO2を定量的に測定する「LCA(ライフサイクルアセスメント)可視化機能」が特徴だ。

協業の狙いについて、三井物産は「LCA可視化に信頼性を担保する」と説明。SuMPOが有するLCAに関する専門的な知見と、三井物産のネットワークを組み合わせ「CO2排出量を減らす業界全体の仕組みを作る」(三井物産)。2022年6月のサービス提供開始を目指す。

脱炭素の実現には、サプライチェーン全体における正確なCO2排出量の把握が不可欠

個別の企業や自治体のCO2削減に焦点をあてたPFも開発する。開発中の「イーダッシュ」は、電気やガスの請求書を元にCO2排出量を算出・可視化する機能を備える。導入先に対してCO2排出量を定期的に報告したり、排出削減に向けた提案を行ったりする機能を搭載する。

「排出量の自動算出を入り口に、あらゆる企業や自治体の脱炭素の取り組みを総合的に支援する」(同)ことが目的だ。10月からトライアル版を提供しており、22年からのサービス開始を目指す。

政府は30年度までに13年度比でCO2を46%削減し、50年までに排出量実質ゼロを目指すという目標を掲げる。一方、排出量の正確な算出方法がわからない、どこから削減の手をつければよいのかわからないという悩みが企業の間にあった。

PFはCO2排出量の可視化を脱炭素の第一歩とする。今後、PFを起点に三井物産のサービスやコンサルティングにつなげ、ビジネスチャンス創出を狙う。

日刊工業新聞2021年12月14日

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