データサイエンス教育を全学展開、東京理科大が持つ人材輩出力の格別

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DS教育では介護保険などのビッグデータも分析対象となる(イメージ)〈東京理科大提供〉

東京理科大学はデータサイエンス(DS)に関する教育プログラムを全学で展開する。全学部・全大学院生や社会人学生、研究者・教員をすべてカバーするのが特徴。DS関連のソフトウエアを手がける米SASインスティチュート(ノースカロライナ州)の認定証を取得できるプログラムに注力する。数理統計学の研究者育成の強みに加え、DS教育の拡充で理工系の他大学との差別化を図る。

東京理科大はDS教育で米SASの日本法人と連携し、2021年度から全学部・大学院生を対象に「共同認定資格プログラム」を始めた。SASソフトウエアのスキル習得で、SASの国際的な認定証を得られる。すでに約100人がプログラムに登録した。

これまで社会人が多い夜間の理学部第二部数学科でDS、統計学入門、数理モデリングなどを実施。ここでのSASプログラムを全学に広げた。

また、21年度に始まったDSセミナーではトップバッターがSASということもあり、質疑応答が1時間も続くなど高い反応が得られた。

SASでのインターンシップ(就業体験)は、データの品質を高める「クレンジング」などの実務を1―2カ月かけて体験する。DSのインターンシップは第一生命保険など他企業とも手がけるが、いずれも少数の募集でソフトウエア利用経験や、学部生でなく大学院生を指定するなど、高度な活動となっている。

同大のDS研究に向けては、22人の研究者が所属する同大統計科学研究部門で高度な統計科学セミナーを開始した。「数学×人工知能(AI)」の学内共同研究を狙った教員向けセミナーも行っている。

多様なプログラムを通じて学部・大学院生、社会人学生、研究者・教員を問わず、DSの知識やスキル習得を強化していく。

日刊工業新聞2021年11月11日

COMMENT

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

同大の全学DS教育は19年度に学部で、20年度に大学院で整備済みというのは、知る人ぞ知る最先端だろう。私は数理統計のDSでの人材輩出力が格別ということも初めて知った。統計が伝統的に強いのは、建学が理学部(普通の理工系大学は工学部)で数学に特別の思い入れがあるためだろうか。大学院なら理学研究科応用数学専攻、工学研究科情報工学専攻、理工学研究科情報科学専攻などで、統計人材を育成。近年、新設が相次ぐ他大学DS学部の教員などに、同大の卒業生や研究者が就いているという。となると数年前に理科大で統計DS学部をつくっていれば、世間の注目を独り占めしていたのかも?!

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