山や高原地帯に広がる最先端技術、観光需要の喚起へあの手この手

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筑波山でユーザー体験と機能について議論する、フラーのプロジェクトメンバー

観光需要を喚起しようと、山や高原地帯で中小企業やベンチャーの最先端技術を活用する動きが広がっている。アウトドアフィールドにデジタル技術を掛け合わせることで、アウトドア層へ新たな魅力を訴求するほか、事故防止や安心・安全の確保、新型コロナウイルスの感染拡大防止などの課題に対応する。政府も「GoToトラベル」の再開を検討するなど、観光需要の“正常化”に向けた機運が高まっている。(山下絵梨)

茨城県を代表するアウトドアスポットの一つである筑波山。フラー(新潟市中央区、山崎将司社長)は筑波大学などと連携し、筑波山登山アプリケーション(応用ソフト)「Mount Tsukuba」を開発した。アプリ内の拡張現実(AR)カメラを起動すると、登頂時の記念撮影で活用できる「ARフラッグ」が出現したり、山岳遭難時に警察や消防が捜索や救助活動を行うための手掛かりとなる「登山届」をアプリで簡単に提出できたりする機能を盛り込んだ。

同社は「茨城県をはじめ警察や消防、地元企業の協力のもと開発を進めた。アプリの機能は今後のアップデートとともに順次拡張していく」と意気込む。

富士山ではトレッキングツアー参加者を対象に、顔認証を利用してワクチン接種やPCR検査結果を円滑に確認する実証実験を実施した。アルム(東京都渋谷区、坂野哲平社長)は静岡県などと共同で、富士宮市観光協会が企画した「富士山周辺トレッキングツアー」に申し込んだ約100人の実証参加者を対象に、富士山富士宮ルート2合目の水ヶ塚駐車場(静岡県裾野市)でこのほど実施した。

参加者はアルムの救命・健康サポートアプリ「MySOS」をダウンロードし、従来の体調チェックの手続きを顔認証による事前登録情報の確認に代えることで、円滑に体調をチェックできることを確認した。新型コロナ感染拡大防止に向け、2022年度以降の富士登山時への導入を目指す。

ビッグデータで見ごろを迎えた紅葉の解析を行うのはヤマップ(福岡市博多区、春山慶彦社長)。電波の届かない山の中でも現在位置がわかる「登山地図GPSアプリ」を手がける同社は、経済産業省のスタートアップ支援プログラム「J―Startup」企業に登山・アウトドア分野で初めて選定された。見頃検索サービス「リアルタイム紅葉モニター」は、アプリユーザーが日々アップロードする写真データから直近7日間以内に撮影された紅葉写真を日本地図にマッピングした。スマートフォンなどから紅葉の〝ベストスポット〟を手軽に見つけることができる。

日刊工業新聞2021年11月11日

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