甚大な漁業被害もたらす「赤潮」、北大が横断観測に初成功の意義

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北海道大学大学院の芳村毅准教授らは、甚大な漁業被害をもたらしている北海道の道東沖における赤潮の横断観測に初めて成功した。赤潮はロシア海域から流れてきている可能性が示された。赤潮が日高地方の浦賀沖に到達しつつあることも分かった。寒冷域における赤潮の実態解明や将来予測につなげる。

研究グループは5―13日に道東の厚岸沖で同大の練習船「うしお丸」でサンプルを採取し、赤潮の動向を観測した。厚岸沖の海洋観測データから、沖合10キロ―15キロメートル付近の表層から水深5メートル付近までの浅い海域で特に濃い濃度の植物プランクトンが分布していた。同20メートルより深い深度では観測されなかった。

表層から同20メートルまでの海水の水温や塩分特性から親潮の影響が考えられ、発生源は不明だがロシア海域から親潮に沿って南下したと推測した。同地点の水温は昨年より0・7度C高かったが、因果関係は不明。今後、植物プランクトンの種類を含め、詳細な解析を進めていく。

道東沿岸では2021年9月から赤潮が観測され、サケやウニが大量死している。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の人工衛星「しきさい」のデータでも、同沿岸から沖合にかけこれまでにない高い植物プランクトン濃度が観測されている。

日刊工業新聞2021年10月21日

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北海道大学 赤潮

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