野外のロボット活躍へ一手、草道の通過可能性を判定する技術の仕組み【動画あり】

豊橋技術科学大学が開発

  • 1
  • 1
通過の可能性推定イメージ。上からカメラ画像、クラス分類(植物、人工物、路面)画面、通過の可能性の推定画面(豊橋技科大提供)

豊橋技術科学大学の松崎成道大学院生と三浦純教授らは、植物が生い茂った環境の中をロボットが進むための通過判定技術を開発した。農場や山道など道があっても草木が生い茂り、ロボットのセンサーが障害物と判定してしまう状況でも通れる場所を判別する。道路が整備されていない野外でロボットが稼働するための基礎技術になる。

ロボットが動く環境に背の高い草が繁り、木の枝や葉が通路を覆っていると、搭載する高機能センサー「LiDAR(ライダー)」が計測しても壁と植物の区別がつかない場合がある。だが、「通路があるので通れるはず」と設定してしまうと障害物に衝突するリスクがある。

そこで研究グループは、人工知能(AI)技術でカメラ画像から通過の可否を推定することにした。まず遠隔操縦などでロボットを走らせ、作業空間の画像と植物が茂っていても通過できたという正例データを集める。次にAI技術の正例の一部のみが与えられた学習(PU学習)で、走っていない場所の通過の可能性を推定する。通過の可能性が高い場所はLiDARで障害物が検出されても通過可能な物と判定する。

実際に豊橋技科大の学内のトマト栽培ハウスで効果を検証した。ロボットの背丈よりも高くトマトが生い茂っている環境を走行。6684枚の画像で植物や通路を見分けるモデルを作り、899のデータで植物の通過の可能性を学習した。その結果、トマトの枝葉は通過が可能で、茎などは不可能と判定できた。

ハウス内の植物はトマトに限られるため判定しやすかった。農地など植物の種類が限られるような場所では現場で学習し直せば適用できる。今後は、より多くの植物が生えた環境にも対応できるか研究していく。

日刊工業新聞2021年10月18日

関連する記事はこちら

特集