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地熱発電の利用拡大へNEDO・電中研などが一手

地熱発電の利用拡大へNEDO・電中研などが一手

「ジオシンク」のメーター撮影カメラ設置イメージ(NEDO提供)

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と電力中央研究所、エンジニアリング協会は小規模地熱発電事業者向け事業支援ツールを開発した。地熱発電の最適な運転管理を支援する「GeoShink(ジオシンク)」と「事業性評価支援ツール」で構成し、運転効率や事業性を見える化する。コスト面から大規模事業者と同等の運転管理が困難だった小規模事業者に導入を提案し、収益性向上と地熱資源の利用拡大につなげる。

ジオシンクはIoT(モノのインターネット)技術を活用して地熱発電設備を一元的に監視する。電中研の熱効率解析ソフトと連携すれば、機器の性能値を解析して異常予兆を検知できる。また、井戸や大気条件の影響も加味して機器や配管単位で設備健全性を診断できる。

発電所の計器付近に遠隔IoT監視機器を設置して計測する。電中研が進める改良に協力する事業者に対し、通信費などの実費のみの負担で機器を無償提供する予定だ。

事業性評価支援ツールは売電収入や工事費支出といった日常の収支確認に加え、収支の観点から最適な点検・修理時期を提示。点検情報やトラブル事例をデータベース化し、トラブルの再発防止に役立ててる。

同ツールはエンジニアリング協会のウェブサイトから無償でダウンロードでき、米マイクロソフトの表計算ソフト「エクセル」上で操作できる。

両ツールとも地熱発電のほか、バイオマス発電や廃熱発電などにも適用できる。また、改良も続けていく。

IoT機器による監視画面イメージ(NEDO提供)
日刊工業新聞2021年10月6日

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