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急拡大する「ランサムウエア」攻撃の脅威。警察庁は「サイバー隊」新設

パソコンのデータを暗号化し、解除と引き換えに金銭を要求する「ランサムウエア」攻撃について、企業などが警察に申告した被害が2021年上期は22都道府県で61件に上り、20年に比べ急増したことが9日、警察庁のまとめで分かった。攻撃は海外からとみられるが、検挙事例は20年分も含めてまだなく、同庁は22年度に捜査機関のサイバー隊を新設するなどして海外との連携を強化する。

同庁がランサムウエア攻撃をまとめたのは20年4月からで、同年12月までに23件あった。被害を申告しない事例もあるとみられ、警察当局は潜在化しないように注意喚起している。

同庁によると、21年上期は29件で直接的な金銭要求があり、主にビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)による支払いを求めた。暗号化の解除に加え、「盗んだデータを公開する」と脅す「二重恐喝」の手口は27件あった。被害を受けたのは大企業が17件、中小企業40件、学校法人などが4件だった。業種は製造業が最も多く27件で、建設業とサービス業がともに8件で続いた。

同庁は、被害企業などへのアンケートを初めて実施。復旧に要した期間は1週間以内が最多の19件で、2カ月以上も2件あった。復旧や調査の費用は1000万円以上が4割近くを占めた。

日刊工業新聞2021年9月10日

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