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日本精工執行役が「神経言語プログラミング」を学び始めた理由

日本精工執行役が「神経言語プログラミング」を学び始めた理由

コロナ禍の影響で「朝練」はオンラインで実施している

日本精工執行役経営企画本部副本部長・吉田ルリ子氏

神経言語プログラミング(NLP)を学んでいる。NLPは1970年代に米国で体系化された思考や行動のパターン、自他とのコミュニケーションなどを最適化する手法。互いの信頼が高まる状況をラポール(心理的安全)と呼び、この環境を築く会話術を学ぶ。私はまだ初心者だが、週末は朝練と称して、NLPを学ぶ小児科医やエンジニア、ビジネスパーソンなどと1回15分の訓練を複数回実施している。

2018―19年ごろ、大手一般消費財メーカーの方と名刺交換した際、役職のほかに資格として「NLP」と記載があった。NLPに興味を持ち、調べたりセミナーに参加したりした。このころ私は子育ての問題に直面していたが、セミナーなどで出会ったNLPの講師などに話を聞いてもらい大きな助けになった。子育ても一区切り付き、簡単に言えば“話を聞く”ため、誰かの助けになるかもしれないと思いNLPの勉強を始めた。

NLPはコミュニケーションを得意・不得意ではなく、練習であり技能だと教える。人間は会話をする時、得意な認知の仕方がある。それが「VAKモデル」。Vは視覚、Aは聴覚、Kは触覚だ。聴覚優位で意思疎通をする人には、論理的に物事を説明すると理解が得られやすい。視覚優位なら絵を思い浮かべて話をすることが多く、聞く側もこの絵を想像すると意思疎通しやすい。環境や場面で変わることもあるが、タイプを認識することでより良い会話が実現できると考える。

吉田ルリ子氏

どのように“聞く”かも重要。上司は仕事が忙しいと、何かをしながら部下の話を聞く。家庭でも子どもの話を、保護者は食事をつくりながら聞く。目を見てうなずきながら聞くことで、ラポールが築かれる。口角を上げるだけでも、会話はだいぶ違うものになる。

ラポールを築くことができれば、職場も良い方向に行く。日本精工でもNLPを活用しつつ、コミュニケーションの改善を進めていこうと考えている。会話術を学ぶことは、人生に役立つ勉強だと思っている。

日刊工業新聞2021年8月27日

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