「ロボットが役立つ社会作り」めざして、実用化進むサービスロボット
災害対応、コミュニケーションなど導入進む
独自の取り組みも進む
もちろん、独自の取り組みで実用化を目指す企業もある。ユニロボット(東京都杉並区)は、個人の意思決定をサポートするコミュニケーションロボット「ユニボ=写真」を開発した。
独自の人工知能を搭載しており、健康状態や趣味趣向を会話から把握する。その日の気分に合わせた夕飯のレシピなどさまざまな提案を行う。2016年7月に先行リリース予定だ。
ユニボはディープラーニング機能を搭載し言葉だけでなく個人情報を学習する。今後学習スピードを速め、情報収集手段・範囲を広げていくという。コミュニケーションの精度を上げ、生活に入り込む『相棒』を目指す。酒井拓社長は「目指すところはドラえもん。個人の感情に入り込み愛着をもてるロボットにしたい」と笑顔をみせた。1人1台のロボット時代を見通す。
大学で進む実用化の取組み
大学の実用化への取り組みを見ると、宇都宮大学が地元の名産品であるイチゴの収穫ロボットシステム(写真)を開発中だ。自立走行型ロボットとし、収穫から専用カプセルへの投入、サイズ分けを自動化した。イチゴは傷みやすく輸送時の損失額は年間数十億円になる。
収穫はロボットが茎を切り、実を取る。実に付いた茎を専用カプセルの底部にかませ、カプセルが倒れてもイチゴがカプセル内部に触れることがない。
農業のロボット活用は国が政策的に進めており、開発が加速している。開発段階から、本格的な実用化へと実を結ぼうとしている。
日刊工業新聞2015年12月3日 機械・ロボット・航空機1面