製造業に特化して約10秒で見積書を作るAIの仕組み
アルファTKG(東京都中央区、高木俊郎社長)は、製造業に特化した人工知能(AI)を活用して瞬時に見積書を作成するソフトウエア「ぱっと見積」を開発した。取引先名、材質、板厚、大きさを入力してから対象の図面を読み込ませると約10秒で見積もりを作成する。今秋から試験運用を始め、2022年春に本格販売を予定する。価格は未定。
アルファTKGが開発・販売している図面管理ソフト「alfaDOCK(アルファドック)」のユーザー向けサービスとして提供する。「alfaDOCK」の導入費用は500万円から。「ぱっと見積」に顧客が蓄積した図面ごとにCAD/CAM(コンピューター利用設計・製造)や材料、生産情報を独自のRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)が属性付きの図面に更新する。
「ぱっと見積」に対象となる図面を読み込ませるとAIが類似データを基に、熟練工が取り組んだ複雑な情報も実績値で解析して見積もりに反映する。高木社長は「顧客からの要望も多く、研究開発を進めていた分野だ。製造業幹部に集中する見積もり作成時間を軽減したい。AIをフル活用して本格販売までに見積もりの精度・速度を上げる」としている。
図面、CAD/CAM・材料情報をバラバラに管理している企業は多く、図面に各情報を付帯させるのは手間がかかる。多くの中堅・中小製造業は見積もり作成に時間を割いており、社長や経営幹部が対応している例も多い。「ぱっと見積」を導入すれば段取り時間をなくし見積もり業務を効率化できる。
日刊工業新聞2021年7月29日