CO2が半減し高効率のブレーキパッド、曙が新製法を開発
曙ブレーキ工業はブレーキパッド製造で二酸化炭素(CO2)排出量を従来比で半減できる新手法を開発した。原材料の構成を見直した上で製造工程を改善し、CO2を多く排出する加熱工程を減らした。2022年夏に投入予定のアフターマーケット用製品に適用し徐々に対象を広げる。
開発したブレーキパッドの新製法は、作業効率が良く、生産リードタイムを従来比で半減できるのも特徴。製造時に生じる粉じん・臭気も減らし、従業員の負担を軽減する。ブレーキ使用時に発生する摩耗粉も減らした。
自動車業界ではカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を目指す動きが活発化。CO2排出量低減に関する取り組みが部品メーカーの競争力を左右する。6月にはトヨタ自動車が主要サプライヤーに対し、CO2排出量の削減目標を示したことが明らかになった。ブレーキ関連企業ではアドヴィックス(愛知県刈谷市)が中国の製造拠点に約1・3メガワットの発電能力を持つ太陽光発電システムを導入。年間約160トンのCO2削減効果を見込んでいる。
日刊工業新聞2021年7月8日