デジカメ市場に底打ちの兆し。動画撮影などオンライン対応に活路

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キヤノンのEOSウェブカム・ユーティリティーの使用イメージ

デジタルカメラ市場が底打ちの兆しを見せている。カメラ映像機器工業会(CIPA)がまとめた4月のデジカメ出荷台数は前年同月比37・1%増の76万台、出荷額が同2・1倍の446億円と2カ月連続で前年同月を上回った。ただ、コロナ禍前の2019年の水準には回復していない。コロナ禍に加え、スマートフォン搭載カメラの高機能化というダブルパンチが続く中、オンライン対応や高付加価値機種の投入に活路を見いだす。(安川結野)

1―4月のデジカメ出荷台数は前年同期比10・0%増の290万台、出荷額は同51・2%増の1596億円だった。出荷台数に比較して出荷額の回復が早く、高価格帯機種の比率が高いことがうかがえる。国内向けの出荷台数は同2・5%減の43万台だったが、日本向け以外は同12・5%増の247万台。中国向けが同39・7%増となったほか、欧州向け、米国向けがそれぞれ同10・7%増だった。

富士フイルムイメージングソリューション事業部の鵜殿真一郎統括マネージャーは「デジタルミラーレスの売り上げは戻っている。台数は横ばいだが、単価が高いハイエンドモデルが好調。21年度は19年度よりも10%程度上振れして着地するとみている」と見通す。プロ向けやハイアマチュア向けの高価格帯の製品の売り上げは、コロナ禍でも各社共通して堅調だ。

さらにコロナ禍では動画配信機会の増加やテレワークの浸透により、ニーズにも変化が起きた。こうした動きを受け、動画撮影に特化したサービスが充実した。

キヤノンではレンズ交換式カメラ「EOS」シリーズや、コンパクトカメラ「パワーショット」シリーズをウェブカメラとして活用できるパソコン用のソフトウエア「EOSウェブカム・ユーティリティー」を公開。高画質の映像でのコミュニケーションを実現する。

ソニーもビデオブログ「ブイログ」の撮影に便利な機能を搭載したデジタルカメラ「VLOGCAM ZV―1」を発表し、若い世代への手応えを示している。

オンライン活用の取り組みも進んだ。ニコンは写真家による写真講座「ニコンカレッジ」のオンライン講座を開始した。富士フイルムもオンラインセミナーを実施しており、顧客とのコミュニケーションに工夫が見られた。コロナ禍では実店舗での販売を電子商取引(EC)が補うなどデジタルマーケティングが実績を示した。新たな顧客のニーズの発掘にも、オンライン活用の可能性が広がる。

日刊工業新聞2021年6月8日

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