AI技術生かした積み木の知育玩具の効果

数学的素養評価で親子遊び提案

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HEMPSの遊びイメージ(同社提供)

プレイシップ(東京都港区、花岡愛子社長)は幼児教育に特化したベンチャーだ。教育とテクノロジーを組み合わせる「EdTech」(エドテック)領域に挑戦する。積み木の知育玩具「HEMPS」(ヘンプス)を販売している。数や図形など、3―6歳にかけての数学的素養の成長を人工知能(AI)技術で読み取り、親に気付かせる。AIを活用した親子遊びを促して、子育てを実りの多いものにする。

親向け商品

「積み木で遊ぶのは子ども。だが親向けの商品」と花岡社長は説明する。ヘンプスは三角形の積み木だ。24個の三角形を積んでタワーやサカナ、ウサギなどを作る。積み木は子どもが数や図形を体験しやすいオモチャだ。個数を数えたり、形を組み合わせて大きな形を作ったり、繰り返しパターンから規則性を見いだしたりと、計算はできなくても数学的な概念を体感する。

子どもが並べた積み木をスマートフォンで撮影するとAI技術で数感覚や空間認識力、パターン認識力など7項目を評価する。このスコアや年齢を基に親子遊びを提案する。

例えば数感覚が成長していたら「公園のハトを数えられるかも」、同じ形を見つける空間認識力が成長していたら「窓とドア、同じ形探しができるかも」、「洗濯ものが上手にたためるようになっているかも」などと提案する。子どもの成長に気が付くことは子育ての喜びの一つだ。花岡社長は「親が幼児教育研究を学ぶことは難しい。ただ、アプリやAI技術で支援して親の観察力を伸ばすことはできる」と説明する。

HEMPSの解析イメージ(同社提供)

形を読み取る

AI技術は画像認識とシナリオAIを使った。子どもの積み木の並べ方や遊び方は実に多様だ。そこで画像認識でブロックの座標と色をとり規則性などを評価する。パターンマッチングで花やサカナなど、子どもが作ろうとした形を読み取る。親子遊びのシナリオは約350個用意した。年齢やAI評価から適したものを提案する。

多様さ吸収

AI技術はザ・サン・ストラテジック・ソリューションズ(東京都千代田区)が開発した。花岡社長は「コンセプトを具現化してくれた」と振り返る。子どもの遊びや発達の具合は多様で定式化しにくい。AIで多様さを吸収している。さらにAIでの評価を過信せずに、子どもの変化を捉えることで親の気付きにつなげた。新しい遊びを提案して、子育てにより深く関わることを促す。花岡社長は「テクノロジーは万能ではない。だが親を支援できる。データが集まれば、より精緻に子どもの成長を捉えられる」と事業開発にまい進する。(小寺貴之)

日刊工業新聞2021年6月1日

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