ソーシャルベンチャーの起業、龍谷大で増えている理由

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駆除された野生動物を食材として活用する(RE―SOCIAL)など社会課題の解決に取り組む起業が増えている(龍谷大提供)

大学 精神養成、挑戦後押し/学生 現状・矛盾打破に意欲

龍谷大学で社会貢献型の大学発ベンチャー(VB)の起業が増えている。2019年度の経済産業省の調査によると、同大は関西の私立大学で大学発VB数1位を誇る。さらに学生や卒業直後の若者による起業が多い。入澤崇学長は「社会貢献に意欲的な学生が増えている。最近は社会課題を発見して解決を目指す『ソーシャルベンチャー』が中心だ」と説明する。(大阪・安藤光恵)

課題を解決

龍谷大で産学官連携や地域連携などを担う「龍谷エクステンションセンター」は、01年度から学生VB育成事業を手がける。学生に起業家精神を養う教育を提供し、VBの担い手となる学生の発掘や育成を行う。他者との連携により課題解決する力として起業家精神を養い、挑戦意欲や積極性を引き出す。

起業する学生は一部だが、深尾昌峰センター長は「将来に希望を感じにくい状況を打ち破りたい、世の中の矛盾を解消したいという学生が増えている」と指摘する。

事業継続が難題

社会の課題解決が起業のきっかけになっている。19年に設立したRE―SOCIAL(京都府笠置町)は、駆除された野生動物を食材として活用するジビエ事業を手がける。農作物への獣害対策で駆除された動物の大半が焼却処分される現状の変革を目指す。

革靴をはいた猫(京都市中京区)は障がい者の安定賃金の実現に向けた靴磨きビジネスを創出。無農薬野菜による離乳食を製造販売する、はたけのみかた(滋賀県湖南市)、タイの少数民族からコーヒーを輸入するアカイノロシ(京都市上京区)などの同大発VBが社会貢献と事業の両立に取り組んでいる。

一方で、経営基盤が弱いVBは事業継続が最大の課題と言える。深尾センター長は「ソーシャルベンチャーは市場が限られ、ビジネス継続の困難性は高い」と話す。そのため起業した学生に卒業後も定期的に同大を訪問するよう促す。相談や経営資源の仲介など継続的な支援で経営の安定化を後押しする。

日刊工業新聞2021年5月20日

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